皮膚筋炎・多発性筋炎とは
2024年02月27日
①皮膚筋炎・多発性筋炎とは
皮膚筋炎・多発性筋炎とは自己免疫疾患の一つで筋肉や皮膚、肺を中心に全身に炎症が生じる疾患です。
特徴的な皮膚症状がみられる場合を皮膚筋炎、皮膚症状を伴わない場合を多発性筋炎と呼びます。
②【症状】
皮膚筋炎(Dermatomyositis)
1.皮膚症状
- 皮膚に紫斑や発赤が現れることがあります。
- 日光に敏感で、紫外線による皮膚の変化が見られることがあります。
- 皮膚のかゆみや炎症が発生することがあります。
2.筋肉症状
- 筋肉の無力感や筋力低下が現れ、日常の活動が困難になることがあります。
- 筋肉の痛みやこわばりが発生することがあります。
3.その他の症状
- 関節の痛みや腫れがあることがあります。
- 発熱、疲労感、体重減少などの全身症状が出現することがあります。
多発性筋炎(Polymyositis)
1.筋肉症状
- 主に筋肉に影響を及ぼし、筋肉の無力感や筋力低下が現れます。
- 通常、両側の大腿筋や肩の筋肉に影響を及ぼすことが多いです。
2.その他の症状
- 皮膚症状は一般的には皮膚筋炎ほど明確ではありませんが、皮膚の発赤や乾燥、爪の異常などが見られることがあります。
- 嚥下困難や呼吸困難などの嚥下筋や呼吸筋に影響を及ぼすこともあります。
③【治療】
1. 薬物療法
- 糖質コルチコステロイド(ステロイド):皮膚筋炎および多発性筋炎の症状を制御するために一般的に使用されます。高用量から始め、症状が改善したら徐々に減量します。
- 免疫抑制薬:ステロイド単独では不十分な場合、免疫抑制薬(メトトレキサート、アザチオプリン、シクロスポリンなど)が追加されることがあります。これらの薬物は免疫反応を調節し、炎症を抑制します。
- バイオロジクス(生物学的製剤):重症の症例では、免疫システムを調整するためにバイオロジクス(例:リツキシマブ、アダリムマブ)が使用されることがあります。
2. 理学療法
- 筋力低下を改善し、運動機能を維持するために理学療法が役立ちます。
④【生活上の注意点】
・皮膚筋炎の患者には、紫外線からの保護が重要です。
・帽子や長袖の服、日焼け止めなどを使用して紫外線を避ける必要があります。
・悪性腫瘍の合併率が他の疾患に比べて高いと報告されており、定期的ながん検診を行う必要があります。