乾癬性関節炎とは
2023年11月15日
①乾癬性関節炎とは
乾癬性関節炎とは、乾癬という皮膚疾患に合併する、関節や腱付着部、指に炎症をきたす病気です。
日本人では、乾癬を発症した患者さんの10-15%に発症すると言われています。
原因は不明ですが、30-50歳代に多く、男女比はほぼ同じです。
②【症状】
乾癬性関節炎では、ほとんどの例で乾癬の皮膚病変を認めます。乾癬は、髪の生え際や肘、膝、臀部などに多く、赤く盛り上がった発疹と、銀白色のフケの様な鱗屑を認めます。
乾癬性関節炎の症状は大きく分けて5つあります。
- 末梢関節炎:手足の指の第1関節を中心に、左右非対称に多関節が侵されます。
- 腱付着部炎:アキレス腱や膝蓋腱など、腱・靭帯が骨に付くところに痛みを認めます。
- 指趾炎:手足の指がソーセージ様に腫れます。足の第3・4趾によくみられます。
- 脊椎関節炎:背骨や仙腸関節に炎症がおこり、腰痛(安静時に強くなり、動き出すと改善する)を認めます。
- 爪病変:爪の一部の剥離、肥厚、凹みを認めます。爪病変がある指は関節炎が起きやすいことが分かっています。
③【治療】
・病気の活動性を抑えて進行を防ぎ、日常生活の質を上げることを目標に治療を進めます。
・末梢関節炎が主体の場合、NSAIDs(鎮痛剤)・抗リウマチ薬で治療開始します。
・脊椎関節炎が主体の場合はNSAIDs(鎮痛剤)を使用します。
・病気の活動性が強い場合や、骨変化を既に認めるような場合は、生物学的製剤の使用を検討します。
④【生活上の注意点】
乾癬性関節炎の方は肥満やメタボリックシンドロームの合併が多いことが知られています、食事・運動療法は病気の活動性を抑えるだけでなく、健康な生活のためにも重要です。