シェーグレン症候群とは
2023年10月05日
①シェーグレン症候群って何?
シェーグレン症候群とは涙や唾液を作っている分泌腺を中心に炎症を起こす全身性の自己免疫疾患(膠原病)です。病気の原因は不明ですが、20-40代の女性に発症しやすいと言われています。
②【症状】
主な症状は、目の乾燥(ドライアイ)、口腔乾燥(ドライマウス)、膣乾燥(ドライバジャイナ)が挙げられます。
約45%の方が乾燥症状主体で悩まされますが、それ以外にも約50%の方には全身性の何らかの臓器病変(全身倦怠感・関節痛・皮疹・光線過敏症・間質性肺炎・神経障害・腎障害・筋症状・血液検査異常など)を生じることがあります。
そして一部(約5%)の方には悪性リンパ腫や原発性マクログロブリン結晶といった血液疾患の合併を認めます。
しばしば橋本病や自己免疫疾患を合併することもあります。
③【治療】
膠原病の中では、比較的良性で対症療法が中心となります。ドライアイに対しては点眼薬や局所治療、ドライマウスに対しては内服薬やうがい薬、唾液腺マッサージなども行われることがあります。
肺野や神経、関節などの症状に対しては重症度に応じてステロイドや免疫抑制薬が使用されることがあります。
④【生活上の注意点】
・ドライアイに対しては冷暖房器具などによる乾燥を防ぐことがあげられます。市販の保存料の含まれている点眼薬の使用には注意が必要です。
・ドライマウスに対しては口腔清潔を心がけ、虫歯対策のため定期的に歯科受診をしましょう。洗口液はアルコールの入っていないものを選びましょう。
・セルフチェックとして時々首の付け根や脇の下、足の付け根などにしこりを触れるか確認しましょう。
・抗SSA抗体が高値の場合、妊娠出産時にお子さんに合併症が出ることがありますので、主治医と産婦人科医にご相談ください。