診療方針

関節リウマチの治療

2021年03月22日

①関節リウマチの治療の目標

 関節リウマチの治療目標は関節リウマチになる前の状態に戻ることです。患者様が毎日普通に日常生活を過ごせるようになることが私たちに求められていることだと考えています。

 まず行うことは痛みの軽減、痛みをなくすことです。さらに関節の痛みを引き起こしている炎症を取り除くことです。痛みもない腫れもない、検査でも異常が全く認められないこうした状態を寛解と呼びます。

 

②飲み薬や注射による治療

 痛みをとるためには痛み止めを使用することや、短期的にステロイドホルモン剤を使用して炎症が早く取れることを選択する場合もあります。いずれにしても患者様に選択肢をご提示したうえで、患者様に選んでいただき合意のもとに進めていくのが関節リウマチ治療の基本です。

 関節リウマチの関節炎を押さえ込むために行う治療は免疫を高める方法ではなく、免疫を抑えていくことです。

 飲み薬の抗リウマチ薬や生物学的製剤という遺伝子工学によって作られたタンパク質を注射する方法や、特殊な構造と作用を持った JAK阻害薬などを使っていきます。

 

③運動療法

身体機能を維持し生活の質を落とさず、治療の効果が早く現れるようにするための運動療法も有効と考えられています。痛みが強くて体を動かせなかった時間が長かったときにおきる、筋肉の衰えや動きの悪くなった関節の可動域を改善することが重要になります。

 

④治療の4本柱

関節リウマチが寛解になるまでは、

・オーバーワークを避けて安静を保持すること

・内科的な治療を継続すること

・リウマチに特化したリハビリテーションを行い、動きの悪くなった関節の可動域を改善すること

・手指の腱断裂や足の指の変形に対して整形外科的な手術をすること

これらが、治療の4本柱とされています。