診療方針

関節リウマチの合併症

2021年03月27日

①合併症について

関節リウマチの合併症は、

(1)関節リウマチに伴うもの

(2)他疾患の合併

(3)薬剤の副作用によるもの

にわけられます。

 関節リウマチの注意すべき合併症として、貧血、骨粗しょう症、肺症状(間質性肺炎、器質化肺炎、胸膜炎)、皮膚症状(皮下結節、皮膚潰瘍)、眼の症状(強膜炎)、心臓症状(心膜炎)血管症状(血管炎、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞)などがあります。

 

②間質性肺炎

 特に関節リウマチの患者様が気を付けるべき合併症は間質性肺炎であると考えられます。それは関節リウマチ患者の約30%が多少なりとも間質性肺炎にかかっていると言われているためです。

 間質性肺炎とは肺の中の間質と呼ばれる部分に炎症が起きる病気です。悪くなると呼吸困難になり酸素投与などが必要になったり使える薬剤に制限がでたりすることがあります。

 関節リウマチの治療薬で発症してしまう場合もあるため患者様にとって、とても注意が必要な病気です。空咳や息切れは要注意サインです。

 当院では患者様の安全のために少なくとも1年に1度定期的に胸部CT・レントゲン検査を実施しています。そのため無症状の段階でも間質性肺炎の発見が出来ます。

 

③合併症を予防するために

 合併症の予防として挙げられるのは禁煙、手洗いうがいといった基本的な感染症対策、歯磨きなどの口腔ケア、そして趣味を楽しむなどの心のケアが挙げられます。

 関節リウマチを発症すると様々な合併症にかかりやすくなり、日々の生活を送ることが困難になります。そのようなリスクを回避するためにも関節リウマチ及び関節リウマチによって引き起こされる合併症は早期発見・早期治療が重要です。もしかしたらと思ったら主治医へ相談し対策をすることで合併症のリスクを下げることが可能になります。