リウマチ治療情報コラム

リウマチの検査方法


関節リウマチを確実に診断することがとても大切です。このために血液検査でリウマチ因子(R F)抗CCP抗体抗ガラトース欠損IgG抗体などを測定します。これらの検査で診断が可能な関節リウマチの方は約90パーセント程度と考えられています。血液検査に異常が認められない場合MRIあるいは間接エコーなどを行って綿密に診断を進めていきます。血液には異常がなくてもこうして検査で診断される関節リウマチの方は血清学的陰性関節リウマチと呼ばれ約5パーセントほどいらっしゃいます。診断基準を満たさないために数カ月ごとに経過を見ていくこともよくあることです。

まず専門医が診察して関節が痛いだけか、関節の炎症があるために痛いのかを見極めることが大切です!関節リウマチでは、血液検査で炎症の状態やリウマチに特徴的にみられる物質を調べたり、X線検査(レントゲン)、超音波検査、MRI、関節液の検査、関節組織の検査で関節の状態をみたりすることによって、診断、活動性(炎症や症状の強さ、関節病変の進む速さ)の判定、治療効果の判定などを行います。

血液検査

炎症の程度といった免疫の状態をみながら、関節リウマチの可能性を調べるとともに、ほかの病気との鑑別を行います。リウマチ因子だけでは判別できないことが多いため、抗CCP抗体、抗ガラクトース欠損IgG抗体、MMP-3などを測定します。

CRP
(C反応性タンパク)
CRPは、体内に炎症や組織の破壊がある時に、肝臓で作られる特殊なタンパク質です。感染症など炎症を伴うさまざまな病気で値が高くなります。全身の炎症反応を示しますので、関節リウマチの方では陰性のこともあります。0.5以下がひとつの目安です。
リウマトイド因子
(RF)
リウマトイド因子とは、自己抗体といわれるもののひとつで、関節リウマチや他の膠原病などの自己免疫疾患の方にみられます。健康な方にも陽性の方がたくさんいます。関節リウマチの患者さんの約80%の方が陽性ですが、残りの20%の方では陰性となるため、たとえリウマトイド因子が陰性でも関節リウマチではないとは言い切れません。また早期の方では陽性率は著しく低下します。
抗CCP抗体抗CCP抗体は、リウマトイド因子と違って、特異性が高く、陽性の方は90%以上の確率で関節リウマチと判定できます。発症前から陽性になることもあり、早期の関節リウマチの診断にも役立ちます。関節リウマチ以外の病気でも陽性になることがあります。

画像検査

関節の破壊などを確認できます。診断、病気の進行をチェックするうえで大切な検査です。

X線検査
(レントゲン検査)
X線検査は、関節の骨の状態をみる検査です。定期的に検査を行います。
MRI骨だけでなく、軟骨、腱、筋肉、滑膜、血管などもわかりますので、滑膜炎、骨髄浮腫、骨のびらんなど、関節リウマチに特徴的な所見を早期から発見できる、最先端の診断方法です。
超音波滑膜炎を見ることができます。