お薬のお話<パート3>
「残ったお薬どうしていますか?」
昨今、日本の経済状況は悪くなる一方で、医療費の増額もその原因の1つであることは間違いありません。
入るものより明らかに出て行くほうが多い状況になるのは何故でしょうか?
日本には、国民皆保険という制度に基づき、誰もが平等に必要な医療を提供される仕組みがあります、皆さんがお支払いしている医療費の7~9割、あるいは人によっては10割を国が負担していることはご存知でしょうか?
税金がそこに当てられています。
そのお陰で、病院の窓口において皆さんが負担するのは全額ではなく、その一部で済むというわけですが、その分国の負担は増えます。
とすると、医師から処方されたお薬は大事にしてもらわないと困ります。
「余ったから捨てる」
「飲みたくないから捨てる」
「飲んでいないことを医師に言えず、処方されるから溜まってしまい、放置してある」
それならば、最初から「いらない」と医師に伝えてください。
医師はあなたの病気に必要と判断して処方するのですが、結果飲まなかったり、余って捨てたりするなら、処方していないのと同じことですから。
時代は変わりました。
過去には「よく分からないけど医師が出してくれたお薬だから飲む」という時代もあったでしょう。
今は「医師と相談の上、お薬を飲むかどうか決める」という時代になりました。
病気のことはよく分からないので‥、とおっしゃる方、ご自身の病気や身体については医師としっかり情報交換・情報共有してください。
特にお薬については、その必要性を理解・納得できるまで聞いてください。
医師に聞けない時は、看護師やその他の医療従事者に聞いてください。
当院では、8年前の開院当時から「残薬調整」により皆様の内服状況把握や医療費(お薬代)の削減に取り組んできましたが、2016年~薬局でも残薬調整をしてくれるようになりました。
薬剤師さんも患者さんを取り巻くチーム医療スタッフの一員として、お薬の問題に積極的に関わってくれるはずです。
おうちにお薬が沢山残っている方、まずご相談下さい。
文責:新井