リウマチ治療情報コラム

お薬の話 パート8 


「ステロイドは怖いので使わないで下さい」

と、希望される方がいらっしゃいます。

 

むかし、むかし、まだ抗リウマチ薬がない時代‥。

痛みと腫れに即効性があり、嘘のように関節の痛みが治ってしまう「魔法のお薬」としてステロイドが重宝された時代があります。

ステロイドは炎症や痛みをとる力が強いですが、それ自体はリウマチの薬ではありませんので、ずっとそれだけを飲んでいても関節破壊は止められません。

それどころか、長期間の使用によりステロイド性糖尿病やステロイド性骨粗鬆症のリスクを上げていきます。

マイナス面だけを見るなら怖い嫌な薬と感じるのは無理もありません。

しかし、炎症を早く取る、痛みを早く取る、という点では右に出る薬はありません。

診断されて、抗リウマチ薬が効いてくるまでの期間、併用することには意義があります。

このお薬は、使い方次第で優秀なお薬にもなり、怖い薬にもなり得ます。

それを踏まえたうえで、短期間利用することは全く悪いことではありません。

減量する時期や中止時期は、必ず医師の指示に従ってください。

良くなったので自己判断で止めた、痛みが出た時だけ痛み止めとして使っている、そのような事は決してしないでください。

先ほども触れたように、ステロイドは使い方を誤ると怖い薬になり得ます。

 

何故、急に止めてはいけないのか?

急に止めたり減らしたりすると何が起こるのか?

ステロイドの副作用を事前に防ぐことは出来るのか?

これらの質問について、担当医やかかりつけ病院の看護師、薬剤師にご自身が理解・納得できるまで説明してもらってください。

無知ゆえに、ただ漠然と怖がって優れた薬を使わないなんて、もったいないでしょう。

 

インターネット、雑誌、TVなどで提供されるお薬の情報に振り回されるのではなく、正しい知識の上で正しい選択をして頂きたいと思います。

文責:新井